当院では,手術の際に局所麻酔か全身麻酔の選択が可能です.

ただし診察させていただいた上で,ご本人の健康状態が良好でない場合には,安全を考慮し,局所麻酔しか行えない場合や入院設備のある他の病院をご紹介させていただく場合もございます.

どのような方が当院で手術を行えるかは,こちらにまとめております

麻酔科術前診察

まず麻酔科の問診票をご記入いただきます.

当院や他院での検査結果を踏まえて,麻酔科の術前診察をさせていただきます。

その上で当院で全身麻酔による手術が可能かどうか判断させていただきます。

歯科受診について

全身麻酔では,手術の際に呼吸を助ける管を喉から入れさせていただきます.

管を入れる際には,器具で口を大きく開けさせていただきます.

細心の注意を払っていても,この時に歯や唇を傷つけてしまうことが稀にあります.

麻酔がかかった状態で歯が抜けてしまうと大きなトラブルにつながることがありますので,当院では事前に歯科の先生に弱い歯がないかどうかの確認や,場合によっては必要な処置をお願いしております.

かかりつけの歯科がある方は依頼のお手紙を作成させていただきますので,お知らせください。

禁煙について

当院では,可能な限り安全に手術を受けていただけるよう努力をしております.

しかし,喫煙をされている方は手術中の呼吸器合併症が起こるリスクが高く,死亡率も非喫煙者の約1.38倍高いことが知られています.

また,術後感染症(約1.52倍)や肺合併症(約1.73倍)も明らかに高いことが知られています.

術前6〜8週間の禁煙で,こうした周術期の合併症の頻度が減らせることが分かっています.当院では最低でも術前2週間の禁煙を強く推奨しております.

患者さんご自身が禁煙されることによる合併症予防の効果は絶大です.

この機会に是非,禁煙をはじめてみてください.

当院では一定の条件を満たしていれば,保険診療による禁煙治療も行えます。興味がある方は是非ご相談下さい.禁煙外来のパンフレットもございますので、気軽にお声がけください。

※ 手術当日,喫煙による影響で気道過敏性が高く,安全に手術を受けていただけない状態と判断した場合には,手術が受けられないことがありますのでご注意下さい.

手術当日の流れ (全身麻酔の場合)

手術当日,食事は召し上がれません.手術当日朝9時までは,水のみお飲みいただけます

手術当日の最終飲水可能時間や薬の内服についての詳細は,術前診察時にご案内させていただきます.

1
診察

来院後,耳鼻科と麻酔科の診察を受けていただき,手術当日の健康状態を最終確認いたします.

2
着替え

お手洗いを済ませていただき,手術着に着替えていただきます.

3
点滴

お薬を投与するための点滴をとらせていただきます.乳がんの手術後などで点滴や血圧測定ができない腕がある方は,事前にお伝えください.

4
麻酔の導入

手術室で心電図などのモニターを装着させていただいた後,点滴から眠くなるお薬をいれて全身麻酔を始めます.
眠られた後,喉から呼吸を助ける管を入れさせていただきます.
ご本人は眠っているため,苦しくはありません.

5
麻酔から覚醒

手術が終わり次第,眠くなるお薬の投与を終了します.
通常は5〜20分程で目が覚めます.
目が覚めたときは鎮痛剤や鎮静剤の影響で少しぼうっとする方が多いです.
はじめは呼吸を助ける管が喉に入った状態で目が覚めますので,声が出ません.
また少し息苦しい状態ですが,呼吸はできますのでご安心ください.
意識がはっきりしてきて,ご本人の呼吸状態が良好になったところで喉の管を抜きます.

6
リカバリー

術後に全身状態が落ち着いたら,リカバリールームで1〜2時間程度安静にしていただきます.
麻酔の影響が残っていると,飲み込みがうまくできなかったり,ふらつきが出ることがあります.
飲水や歩行ができるかどうかを含め,当院の帰宅基準を満たした時点でご帰宅いただけます.

術後の注意点

術後24時間は,車の運転はお控えください.

手術当日は湯船につかることはお控えください.シャワーは浴びていただいてかまいません.

帰宅後のお食事の制限は特にありません.