聞こえをよくする手術,耳だれを止める手術を行なっております.
どのようなときに手術をするのか
- 鼓膜に穴があり,定期的に耳だれがでるような人
- 鼓膜の穴や耳小骨が硬くなることで,聞こえが悪くなっている人
- 鼓膜の一部が奥に入り込んで,痛みや聞こえの悪さ,耳だれを起こしている人(真珠腫性中耳炎)
診断の方法
- 耳の中を顕微鏡やカメラをつかって覗く
- CTをつかって病気の進行具合をみる
- 聴力検査を行い手術で治せるものかみる
耳の場合は,聴力検査が非常に重要となります.
どんな手術をするのか
- 鼓膜だけを扱う治療
- 耳の一部を切る治療
2019年に出たリティンパという薬剤を用いた治療も行なっております.鼓膜を切開した後やチューブを入れた後に穴が残っている方には良い治療です.
リティンパの治療を複数回行なっても閉じない方や穴がある位置によっては他の手術を進めさせていただきます.耳の後ろを切るか耳の中にだけ傷をつけて行うかは病気の進行具合よって決めます.耳の後ろを切るというと怖いですが,普段は耳から隠れるため傷口が目立つことは稀です.
鼓膜を治すだけであれば,鼓膜のみを治すようにします.
鼓膜を治すだけで聴力が改善しない場合には,骨のつながりを直す手術を行います.
なお病気が乳突洞という空間にも進んでいる場合には,その部分の病気を除去する治療を同時に行います.
術後について
なるべく術後の通院は少なくするようにしております.
- 手術後直後(翌日〜2日後)
耳の後ろに大きく切った場合には,頭に巻いた包帯をとります.小さく切った場合には傷口の消毒を行います. - 手術後早期(1週間〜10日後)
耳の抜糸を行います. - 手術後安定期①(1〜11ヶ月)
傷口が落ち着いているかと聴力の定期診察です.紹介元の先生がいらっしゃる場合には,定期診察は紹介元の先生で行っていただくこともございます.
傷口が問題なければ3〜6ヶ月ごとに診察を行います. - 手術後安定期②(1〜2年)
聞こえが問題なく,鼓膜が閉じている方は2年程度で終診とさせていただきます.
真珠腫性中耳炎は手術を行っても,根本的な原因(鼻啜りなど)を治療するわけではありません.どれだけ安定しても1年に一度程度の定期診察をおすすめしております.