たかが鼻詰まり,されど鼻詰まり
コロナ感染対策で,みなさんマスクをするようになりました.
鼻通りが良い人は問題ないでしょうが,鼻詰まりがある人は非常に辛いと思います.
鼻詰まりの辛さがわからない人は「たかが鼻詰まりで病院に」といいます.
実際症状がある人しか,辛さがわかりません.
鼻詰まりの原因は,どんなのがあるのでしょう?
鼻詰まりの原因として,次のようなものがあります.
鼻中隔弯曲症
実は9割の人が鼻中隔はどちらかに曲がっております.鼻中隔がどの程度湾曲しているかと下鼻甲介の分厚くなっているかが鼻詰まりに関連します.
肥厚性鼻炎,アレルギー性鼻炎
骨肥厚,粘膜肥厚のどちらかで治療が変わります.粘膜肥厚はアレルギー性鼻炎で多いです.骨肥厚が原因であれば残念ながら薬物治療は効きにくいですが,手術治療が有効です.粘膜であれば粘膜への処置が有効です.
アレルギー性鼻炎があると何が変わるの?
アレルギー性鼻炎を合併していない人は,薬物治療が効きにくいです.ただし手術治療が有効で再発しにくいです.
一方,アレルギー性鼻炎の方はまずアレルギーの原因物質の除去,薬物治療が第一の選択となります.手術治療は有効ですが薬物治療を行わなければ良い状態を維持しにくいです.
アレルギー性鼻炎の薬物治療
1.鼻水がつらい人
ドラッグストアーに売られているアレグラ®︎などの抗ヒスタミン剤,フルナーゼ®︎といった点鼻ステロイドが有効です.
2.鼻詰まりがつらい人
フルナーゼ®︎といった点鼻ステロイド,鼻粘膜腫脹に対して有効なロイコトリエン受容体拮抗薬が有効です.
根本的な治療について
スギやダニといった特定の抗原へのアレルギーであれば,免疫治療が有効です.
スギ抗原は70%,ダニ抗原は80%程度の鼻炎への有効性があると言われています.
治療のまとめ
アレルギー性鼻炎がない場合,基本的になんらかの手術治療で劇的に症状が良くなる方が多いです.
アレルギー性鼻炎がある場合,まず適切な薬物治療を行いましょう.しかし症状が取れない場合には手術治療は症状をぐっと楽にする可能性があります.
次回に手術治療を紹介します.