こやま耳鼻咽喉科院長 小山悟先生が,紹介いただいた患者の手術を見学にきてくださいました.

症例は好酸球性副鼻腔炎患者の両側内視鏡下副鼻腔手術,鼻中隔手術,下鼻甲介手術でした.大学病院時代は,入院のうえ,行っていた手術です.

小山先生は東京女子医科大学東医療センターにいた頃にも見学にきてくださり,今回の見学では手術のクオリティが大学時代のそれと全く変わっていないと仰ってくださりました.

当院で行う日帰り手術は,以前大学病院で入院のうえ行っていたものと同等のクオリティです

日帰り手術を支えるとても大事なもの〜麻酔〜

当院の日帰り手術を大きく支えているのは麻酔です.

適切な麻酔のおかげで,手術を受ける患者さんは強い痛みを感じずに手術を終えることができます.

当院は患者さんの状態にあわせて2つの麻酔方法で対応しております.
1.全身麻酔
2.局所麻酔
鼻の手術に関しては,呼吸器疾患(喘息,COPD)の合併症,喫煙の影響による肺疾患(肺気腫)がない方は,概ね全身麻酔で手術を受けていただくことが多いです.
耳の手術に関しては,耳小骨再建する場合の手術を行う場合には聞こえを確認するために局所麻酔を選択することが多いです.

総合病院や大学病院では,耳鼻科の,特に鼻の全身麻酔は,若手の先生が担当し,上級医がサポートでついていることが多いです.その理由として「比較的若くて」「合併症がすくない」患者さんが多いからです.

当院の場合は,麻酔経験に長けた麻酔専門医(副院長)が直接手術麻酔_を担当しているため,術中だけでなく,術後の痛みや吐き気に関しても十分留意して麻酔を行っています.

手術中の適切な麻酔深度,鎮痛薬の使用により,手術終了後にすみやかな麻酔からの覚醒が行えます.そのため,ほとんどの方が術後1時間程度で帰宅が可能となっております.

良い麻酔管理は手術のクオリティを上げる

外科医にとって,手術のクオリティを左右するもののひとつに麻酔科医の技量があります.

例えば,麻酔科医が手術中の血圧管理をしっかりしていると,手術中の出血量が少なくなり,術野がクリアになるため,手術時間も短縮できます.しかし,日頃の血圧や患者さんの状態から適切な血圧の範囲を推測し,手術の進行状況に合わせて痛みの度合いを予測し,維持することは簡単ではありません.

日帰り手術という時間的制約が強い状況では,腕のよい麻酔科医が担当してくれることが手術を行う上で大きな支えとなっております.

麻酔科は,患者さんには馴染みのない科だと思いますが,手術に際しては大きな役割を果たしています.

当院では安全性を第一に考えて,患者さんごとに適切な麻酔法を追求しながら,これからも手術を行っていきたいと思います.